肥満外来で行われてる基本的な治療は食事療法と運動療
法ですが、必要に応じて薬物療法を行われる場合があり
ます。
薬物療法の治療で利用される薬には食欲を抑える「食欲
抑制剤」や脂肪の吸収を抑える「脂肪吸収抑制剤」のほ
かに「漢方薬」があります。
ダイエットで使われている漢方薬の治療では主に「固太
りタイプ」と「水太りタイプ」の2つがあり、それぞれ
のタイプにあった漢方薬が処方されます。
【固太りタイプ】
固太りタイプの方は食べすぎが原因による肥満の方が多
く、身体の特徴としては体力があり筋肉質でがっちりと
した体型をされています。
便秘がちな方が多く、のぼせや血圧が高いなどの症状が
あります。
治療で使われる漢方薬は主に大柴胡湯(だいさいことう)
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)・桃核承気湯
(とうかくじょうきとう)などが使われています。
■大柴胡湯(だいさいことう)
がっしりとした体格で比較的体力があり、便秘、肩こり、
頭痛、胃炎の症状がある方。
■防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)
腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちで、どうき・肩こり・
のぼせなどの高血圧やむくみの症状がある方。
■桃核承気湯(とうかくじょうきとう)
比較的体力があり、のぼせや便秘がち、頭痛、めまい、
肩こりなどの症状がある方。
【水太りタイプ】
水太りタイプの方は身体の中の水分がうまく代謝されな
いことが原因による肥満の方が多く、体力がなく、下半
身に脂肪が多く、お腹が柔らかいといった身体の特徴が
あります。
顔・足がむくみやすく汗をかきやすい、胃腸が弱いなど
の症状があります。
治療で使われる漢方薬は主に防己黄耆湯(ぼういおうぎ
とう)・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)などが使
われています。
■防己黄耆湯(ぼういおうぎとう)
色白で疲れやすく、筋肉にしまりのない水太りの方、
汗がかきやすい、むくみ、関節痛の症状がある方。
■当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
比較的体力がなく、冷え性で貧血の方。
疲れやすく、頭が重い、めまい、肩こり、腰痛、むくみ
などの症状がある方。
ダイエットの治療では食事や運動などの生活改善をする
ことが大切ですが、ひとりひとりの症状に合わせて処方
される漢方薬は副作用も少なく、ダイエットのサポート
的役割となります。
気になる方は一度、漢方薬の専門医に相談されてみるの
も良いですね。